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アンカー 1

Shishijo Lui story

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「横暴ワガママ先輩 × 主人公」

出会い

入学してから数週間がたち、主人公(真宮ひより)をはじめとする新入生たちは少しずつこの環境に慣れてきていた。それにより学園の様々な噂が耳に入るようになり、その中で『"じいや"を連れたセレブな2年生が居る』という嘘みたいなお金持ちの先輩――獅子条ルイについての噂が多く出回っていた。

『ものすごく偉そうな人らしいよ』『お金持ちなのは分かるけど私生活が謎』『親がどんな仕事をしているのか全然分からない』『もしかして反社会的な…?』

下校しようとしたタイミングで、校門で高そうな車に乗りこむ背の高い男子を見かける。周りの反応を見るに、彼があの獅子条ルイさんらしいが、学年が違う人と自分が関わることはそんなに無いだろうなと思っている主人公は特に気にせず、その日は帰るのだった。

それから数日後の放課後、階段近くの廊下で『獅子条』と名前が書かれた教科書を拾う。階段の下を覗き込むと彼は帰ろうしていた。届けようと主人公は慌てて走り出し「あの!」と声をかけた瞬間、足を滑らせてしまう。階段の上のほうから落ち、どんがらがっしゃーんと転がったのにどこも痛くない。目を開けるとルイ…ではなく彼の横にいつも居る"じいや"と呼ばれる青年が居た!

自分をかばいボロボロなじいやと彼を心配するルイに、主人公は謝り倒す。じいやは笑顔で「大丈夫です」と言い残し、二人は車に乗って帰ってしまった。

<スチル01>


次の日、昨日のことはちょっとした騒ぎになっていた。クラスメイトたちから「ヤバイ先輩にやらかしたんだって!?」と不安を煽られ、主人公はうろたえる。青ざめていると、ルイではない不機嫌そうな2年生が主人公を呼び出す。「1年、獅子条が呼んでるぞ。なんで俺がパシられなきゃ…ぶつぶつ…」

2年の教室に向かうと、ものすごーく不機嫌そうにルイが廊下の壁にもたれかかって立っていた。

「おい」 「は、はい」

「お前、今日からオレの世話をしろ」 「はい!?」

非日常に巻き込まれる生活が始まるのだった。

出会い‐2

突然のことに呆然としていると、じいやからの手紙が渡される。

そこには『自分の腕が怪我で1ヶ月使えない』『ルイくんはある程度機械に任せる家事なら出来るが、確実に面倒になってサボるし食事も適当になるから心配』『炊事・掃除・洗濯係としてアルバイトしませんか?』ということが書かれていた。言いたいことは分かるけど、なんで…!?と思いつつも、怪我をさせた申し訳なさがある主人公。どうしようか考えていると、ルイは「放課後、車が来るから乗れ。遅れんなよ」と言って教室に入っていった。彼にとってはこれは決定事項であり、最初から彼女に拒否権は無かったのだった…。

そして高そうな長い車に乗せられ、ものすごく高級そうなマンションに連れられ、じいやの『やって欲しいことリスト』を渡され、『ここで得た情報は他言しない』という誓約書にサインさせられたところで、「じゃ」と言ってルイは自分の部屋に篭った。「え…ええ~……親にどう説明しよう……」

この日から一ヶ月、月・水・金の放課後から~19時までの間、ルイの家に通い家事のアルバイトをすることになった。

家事といっても要求の高すぎることではなく、自分の家での手伝いのように、カゴに出されたものを洗う・干す・畳む、気にして欲しいところだけに掃除機やモップをかける、食事はルイが偏食なのでお気に入りの冷凍食品たちを温めて出す、というものが主だった。基本的にルイは家に帰ると部屋に篭りきりで、下校中の車内でも会話をしないので、本当にただ仕事をしているような感覚だった。

半月が過ぎた頃、食事の用意をしようとすると冷食が無い!ルイが夜食に勝手に食べたりして、在庫のサイクルが狂っていたのだ。定期便が届くのは明日だし…と困った主人公は、冷蔵庫の中にあるもので料理を作る。文句を言われそうだと思いつつ帰ると、次会う時に「アレ、悪くなかったぞ」初めて見る笑顔で言われてしまった。そこからほんの少し二人の空気が和らぎ、お互い少しずつ興味を持つようになると、ルイが部屋に篭る理由が映画鑑賞のためだったり、映画につられてよく泣く涙もろさがあったり両親と遠くに離れいてることなど、学園での噂とは違う面が見えるようになっていた。

そして一ヶ月が過ぎ、バイトは終わった。なんだかよく分からないまま、こんなことになったけれど過ぎてみたら楽しかったかも…と今後関わらない先輩のことを考えていると、またルイからの呼び出しが。今はじいやも隣に居る。

「お前、これからも夕飯作りに来いよ」

「え?」

「貴女様の料理が気に入ったそうです。金曜のみ週1でいかがでしょうか。お給料は勿論お支払いいたします」

「え?」

「じゃあ車まで来いよ!」

「それでは失礼いたします」

主人公の意思関係なく、付き合いが続いていくことになるのだった。

 

*全てはじいやの、ルイに年の近い友達が増えたら良いなあという計画なのであった。(怪我は偶然であり、そこから思いついた)

仲良くなるにつれて

数ヵ月後。ルイは自覚していないが、主人公のことがかなり気に入っていた。

偉そうな態度ゆえに普段周りから孤立している彼は、彼女を見かけると構い倒してした。それは心を開く=甘えを見せるようになったということなのだが、彼の甘え方は意地悪を言ったり、ワガママを言って聞かせて満足するという幼い方法だった。また好意のある人間にはベタベタくっつくタイプであり、物理的な距離がどんどん近づいていた。(例:主人公の頭の上に腕や顎を乗せたり、家でソファに座っているときの距離が近かったり)

主人公も好意を少し持っているので嬉しい気持ちがある反面、意地悪やワガママと距離の近さのバランスに翻弄され、正直困った気持ちだった。

素直じゃないので言動が天邪鬼かつ遠まわしなルイに対し、主人公は裏を読まずそのまま受け取っている関係の中喧嘩が起きる。

昼休み中、ルイが校内をぶらついていると珍しくクラスメイトから声をかけかれ、「獅子条最近あの1年とよく居るけど、好きなのか?ていうかもう付き合ってんの?」とドストレートに聞かれる。そういうことを考えてなかったルイは急な問いにあたふたし、素直じゃない部分が大爆発してしまう。

「はあ!?あんなやつ好きじゃねえよ!はいはいはいはいオレの言うこと聞いて馬っ鹿みてえ!」「ルイくん…」

頭を抱えるじいやの声に振り返ると、運悪く主人公が居合わせていた。

「……」「あー…そのだな…」

わなわなとうつむいて震える主人公に、気まずそうに声をかけそうとすると。

「誰が言うこと聞かせてるんですか!!??先輩たちが勝手に話を進めるからそうなっているだけで!!!そうですよね!…馬鹿みたいですよね!もう知りません!!」

「あっ、おい!!」

「あと前から思ってたんですけど、私のことお母さんか何かだと思ってません!?!私は!先輩の!母親じゃ!なーーーーーーい!!!!!」

主人公、大噴火。同級生や周りからは落ちついていて我慢強く、しっかりものとして認識されている彼女の荒ぶる姿を見た親友(江夏よなか)は心底驚いたという。

「待てよ!!」「ついて来ないでください!!」

走り去る主人公を追いかけるルイ、とその後ろを追いかけるじいや。昼休み中追いかけっこを続け、和解することなく​一切の連絡を絶つことになるのだった。数週間後。バイトにも行かず、学園でも徹底的に避け、声をかけられても無視し続けていると、とうとう腕をつかまれる。振り払おうと主人公が顔を上げると、ルイがボロボロと泣いていた。背の高い男が女子に向かって泣いている…という状況に、なんだなんだとギャラリーが集まりはじめ、主人公は慌ててルイを引っ張りいつもの車に乗り込む。

車内でもルイの家でソファに座ってからも重い沈黙が続いていた。

「その、本当に悪かった。謝る…」「意地悪やワガママ、嫌だったってこと分かってくれましたか?」「分かった」「それなのにくっついてこられたり、先輩が何を考えているのか分かりません」「うん」「私もなんだか先輩と仲良くなれてるみたいで、つい言うこと聞いたり流されちゃいましたけど…」「……」「やり直しましょう、先輩後輩として。友達として。先輩にその気があるなら、ですけど…」

「…すぐには直せないかもしれねえけど、次からは、なんだ、嫌な言い方をしないようにする。もししたら訂正するよ、出来る限り。お前と居るの、楽しいから…」「…はい!」

和解後、夕飯作りのバイトも一度解消し、ルイのリクエストと主人公の都合が合致した時のみに。このドタバタのあとルイが少し丸くなったことにより、彼が周囲に向かって作っている壁が少し薄くなった、とじいやは感じた。

*この後ルイのお金持ちゆえの世間ズレが見えたり、主人公への好意を伝える際に規格外のことをしてドン引かれたりなど、お互いの感覚をぶつけて喧嘩したり逆に夢みたいだなと喜んだりするエピソードが挟まっていく。

*デートで特定の作品の映画に誘うと普段と違う喜ぶ姿が見られる。

告白まで

ルイが3年生、主人公が2年生の夏。ルイが1年のときは体育祭も文化祭も行事はサボっていたが、主人公と関わるようになってからは文句を言いながら参加だけはするようになっていた。(そんな変化もあり、学園に流れていた彼の噂は薄くなっていった。)二人は先輩後輩・友人としてやり直した結果、前よりも健全にそしてより仲良くなれていた。

「オレ、卒業したらアメリカの専門学校に行くから。来年はメシ作りに来なくて良くなるぞ」「急に…」「急じゃない。最初からずっと決めてた。オレに会えなくて寂しいだろうけど、ハッまあ楽しくやれよ!」

「理由を聞いてもいいですか?」「あー……お前にならいいか。会いたい人が居るんだよ」「(まさか…)恋人…ですか…?」

「はあ?ッアーーーーハッハッハッハッ!!げほげほっ!ずっとお前と居るのに恋人なんか出来るわけねーだろ!ばーか!いや馬鹿じゃない悪い。そんな泣きそうな顔すんな!両親だよ!はははっ」

ここで初めて今まで隠されていた、両親と離れて暮らす理由・親がどういうお金持ちなのかが明かされる。秘密を初めて共有した他人になった主人公。

まさかの両親はハリウッドで有名なあの映画監督&俳優夫婦だったのだ!(そしてじいやはルイの義兄で親に変わってルイを育てていた)『のびのびと生活して欲しい』という親の方針で離れているのだが(家のことを隠すために他人を寄せ付けない生活をしているルイがのびのびしているのかは意見が分かれるが)、彼は両親を尊敬し愛しているようだ。

「お前が誘うなら、月イチで帰ってきてやっても良いぜ。…なあお前ってオレのこと先輩として好きか?男として好きか?いや、待て、言うなよ。こう聞くとオレがお前のことどう思ってるのか言わなきゃいけなくなるの、言ってから気付いた」

「あっちに行ったら恋人を作る気だったけど、やめた!お前も絶対作るなよ!言い方変える!…作らないでいてくれるか?」

「し…しょうがないですね…」

顔を赤くしながら先輩後輩以上恋人未満の約束をする二人だった。

ルイの卒業式の日、周りへの牽制のために主人公の額にキスをする事件が。<スチル02>主人公には公衆の面前で!とめちゃくちゃ怒られ、その親友(よなか)にもめちゃくちゃキレられることに。

その後、本当に月イチで帰ってきてのデートしたり、会えない時は電話で主人公とルイの1年は過ぎてゆく。

ヒロインの卒業式。ルイに今月は日本に行けないといわれ、じゃあ写真を送りますねと約束する。当日、式が終わり校門の前で卒業生達が集まって先生や友達と記念写真を撮っていると、主人公は後ろからぎゅーーーーっと抱きしめられる。実はサプライズでルイが帰ってきていたのだ!

 「なんつー顔してんだよ!お前の大事な日ならどこに居たって帰ってきてやるよ、嬉しいだろ?有難く思え!」
 「お互い恋人を作らない約束は今日で終わりだ!オレがお前の恋人になってやる…じゃなくて」

「…オレがお前の恋人になってもいいか?」

エピローグ

月イチでデートする遠距離恋愛を続ける二人。

付き合ってから初めての大学の夏休みが来た!長期休暇を利用して主人公はアメリカに遊びに来ていた。

「忘れられない夏にしてやるよ!覚悟しとけ!」

いつも隣に居たじいやは家で留守番。ルイが運転する車に乗り、ドライブを楽しみながら、ルイの家に向かうのだった。

ドキドキの夏がはじまる!

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